第5章 好かれる極意

私がお伝えするタイプ別セールスはセールス場面だけでなく、
あなたの日常生活における人間関係においても有効です。

つまり相手によって言葉を変えたり、話の順番を変えるだけで
相手への説得力、満足感など、相手に伝わりやすい形で話が
できるようになってきます。

自分の考えが相手に伝わりやすくなると生きていくことが
非常に楽で楽しいと感じてきます。

事実、私はタイプ別セールスを学んで友人や家族に話し方に
ついて教えてみたところ、意外な答えが返ってきます。

それが、「勉強になった」と言う答えではなく、「相手との
接し方が楽になった」と言うものでした。

これは今まで暗闇の中で会話していた自分が、懐中電灯を
もとに相手の様子を観察しながら相手と一緒に寄り添う形で
会話できる心の余裕を手に入れたことに等しいからです。

だからこそ、私の友人や家族は楽に感じたのです。

私のタイプ別セールスに出会ったあなたにも、セールスで何万円
儲けました!と言う小さな枠組みで物事、人生を考えて欲しく
ありません。

そんなちっぽけな世界で生きるのではなく、もっと大きな枠組みで
人生単位でより充実した人間関係を大切な人との関係を深めるために
活用するべきです。

人生を幸せにするのは何か?

ハーバード大学成人研究所の所長であるロバート・ウォールディンガー氏が
「人生を幸せにするのは何か?」と言う同研究の長年の研究テーマの結果を
発表されています。

この調査ではっきりとわかったことは3つあったそうです。

1つ目は、周りとの繋がりは人を健康で長生きすると言うこと。

2つ目は、幸せになるには身近な人たちの関係の質がとても重要であること。

3つ目は、周りの人との良い関係は体の健康だけではなく脳をも守ってくれること。

この3つから分かることは、人生の目的は富の追求や名声を得ることではなく、
その先の一人の人間として周りの人とどれだけ良い人間関係を築くことができたか
と言うことを教えてくれています。

つまり、人生を幸せにするのは「周りの人とのより良い人間関係」であると
結論づけることができます。

しかしながら、その自分理解、相手理解がそんなに簡単にできるのであれば
人生苦労はしません。

今回の4つの性格統計学に基づくタイプ分けをしたとしても、どうしても
相手に響かない状況は絶対に出てくるものなのです。

だからこそ、今回のタイプ別セールスが絶対的なものではないことは私自身
が一番認識しています。

それでも、「楽になれる」と言う点があなたの生きていく上でのヒントになる
ことは間違いありません。

そこで、あなたの日常生活での人間関係に使える相手への褒める姿勢に
ついてシェアさせていただきます。

褒め方のコツ

褒め方1つでも相手への伝わり方が違ってきます。

あなたの日常を少しずつ好転させる上で「褒める」「提案する」「叱る」
「誘う」「依頼する」と言った色々な場面に応じたタイプ別の話し方全て
について話したい気持ちがあります。

しかし、一度にそんな大量の情報をもらってしまうとやることが膨大すぎて
行動に移せない人が大量に出てくることが予想されます。

そこで、今日からあなたに試して欲しい要素に「褒める」があります。

やはり、「褒めて相手を嬉しくさせる」

これだけでも会話をする値打ちがあります。

たった一回の褒めることが相手に自信を持たせ想像を超えた世界への
扉を開いてしまう可能性だってあります。

マラソンの高橋尚子選手も監督から常に「Qちゃんならできるよ」と言う
言葉を耳にタコができるくらいもらってオリンピックで金メダルを獲得
しています。

褒めることは価値があり、誰しもができること。

人に出会った時には、どのように褒めてあげるといいのか。

この部分だけでも大切にされるとあなたの気持ちがダイレクトに
伝わる褒め方、話し方につながっていくと思います。

そこで、4つのタイプを意識した褒め方についてお話しさせて
いただきます。

褒め方には次の3つのタイプがあります。

1:具体的に褒めてくれると嬉しいタイプ

2:リアクションを大げさにして感情豊かに褒めてくれるタイプ

3:感謝されることで嬉しいタイプ

主にこの3つの褒め方で4つのタイプにあった褒め方レシピを
作ることができます。

それでは早速、タイプに合わせた褒め方について解説していきます。

<ロジカルを褒める時>

ロジカルタイプはとにかく納得感を求めます。

自分のしたことの事実や結果を具体的に褒めてくれると嬉しく感じる
タイプです。

また、根拠もないのに大げさに褒めてくれても意味がわからないと
感じてしまうので、相手には届きません。

どちらかと言うと淡々と褒める。

普通に棒読みでも良いのでしたことの事実を褒めることで
相手の心に届きやすいです。

「予定の時間よりも15分も早く〇〇をしてくれて本当にありがとう」

このような形で具体性を持って褒めることで相手の心に届きやすいです。

褒めるポイントは何について褒めているのかを具体的にすることです。

褒め言葉だけを並べても嬉しくないので、褒められている根拠が
知りたいのです。

<ビジョンを褒める時>

具体的に褒める必要は全くありません。

リアクションを大きめにとり大げさに褒めることが嬉しいタイプです。

相手から褒められたと言うことがダイレクトに伝われば、それでOKと言う
タイプです。

もっと簡単に言うと、短くても良いのでリアクションだけは大げさにする。

あなたが褒める時のポイントは、これだけで良いです。

「おーすごいね。かっこいいね」

このように、すごいねと言う言葉がかなり使えます。

この言葉だけを大げさに使うだけで相手は褒められたと思ってくれます。

つまり単純なタイプです。

私もビジョンなので相手の表情を見て褒められたと言うことさえわかれば
言葉はなんでも良いと言うタイプです。

もっと言えば、めちゃくちゃ大げさに褒められたいです。

例えば、こんな感じです。

「あなたは日本一カッコいい、すごいなー」

こんな感じで褒めてくれるだけで単純なのでやる気アップ状態が
長持ちします。

褒める前に「おー」と前置きをつけてから褒めるとさらに効果が
倍増します。

<相手を優先させたいロジカル・ビジョンの褒め方>

軸が相手優先の人の場合は、周りから感謝されていると言うことが
褒め方の大きなポイントになります。

どんな褒め方や感情のこもった褒め方表現よりも「心のこもった
ありがとう」が心に響くタイプです。

この相手軸を優先させている人は人の役に立てることを自分の喜び
として感じるタイプです。

ですので、褒め方の中に周りの人の存在や友達の名前などを入れた
感謝の気持ちを添えることで心に届く褒め方になりやすいです。

「今日は本当にありがとう。あなたのおかげでみんな喜んでいるよ」

このように、ありがとうの気持ちと周りの人の反応をセットに
すると良いです。

感謝の言葉にどれだけ思いがこもっているか。

この部分を大切にしてあげると良いです。

褒める時の注意点

どうやって褒めるかも大切ですが、どんな褒め方をしたら
相手に響かないのか。

この褒める時の注意点についても考えてみましょう。

あなたがどのタイプの人間なのかによって褒め方にも特徴が
表れてきます。

どのタイプの人間であっても褒め方を工夫すれば相手への
伝わり方が違ってくるのです。

1:褒める要素は小さなことでも良い

すごい成果を上げたから褒めるのでは、なかなか褒めるネタが
ない人を褒める時に苦労します。

ですので、褒める基準を下げることが大切です。

例えば、あなたに子どもがいるとして言われたことに「はい」
と言えた時に、

「きちんとハイと言えたね」

こんな小さなことの積み重ねが人間関係を築く上で大切だったりします。

2:大げさに褒めるだけでは伝わらない人がいることを知る

淡々と褒めることが好きな人もいます。

これは具体的にタイプをあげるとロジカルです。

具体性を持って褒めてくれるだけで言い方よりも褒めてくれる言葉
に重点を置いているからです。

大げさに褒めることを好むビジョンからすると、誰でも大げさに
褒めがちです。

大きく褒めることにセットで具体的に褒めると言う部分も意識
してみると相手から好印象を持たれやすいです。

3:短い言葉で思いを伝えるだけで喜ぶ人がいることを知る

相手を褒める時に、長々と褒めることが相手のためになっている
と考えている人もいます。

ですが、短く感謝の言葉を伝えられた方が心に届きやすい人も
います。

感謝の気持ちは長さではなく、「周りの役に立った」と言うことに
自分の存在意義を見出す人もいます。

色々なタイプがいますが、大切なことは自分の感覚で褒めるのではなく
相手にあった褒め方に変えていくことで結果として相手からあなたへの
信頼度が効果的に上がりやすいです。

第5章のまとめ

あなたの普段の場面ですぐに実践可能な褒め方についてお話しさせて
いただきました。

褒めることはセールスを行う上でもお客様との距離を縮める上でも
効果を発揮するコミュニケーション手段です。

どうやって褒めたら良いのか。同じ褒め方をしても相手の心に届く人
と届かない人がいることは事実です。

褒め方のコツは以下の3つのタイプです。

1:具体的に褒める

2:リアクション豊かに褒める

3:心のこもった感謝の気持ちを持って「ありがとう」

どのタイプなのかわからなくて褒めたくても褒められないと言う方は
この3つ全てをミックスさせて褒めればいいです。

1:「おーよく頑張ったね、すごいじゃん」

2:「〇〇をこれぐらい頑張れるあなたは素敵だね」

3:「〇〇してくれたおかげで周りもこんなに助かっているよ。
   本当にありがとう」

このように3つの褒め方をそれぞれミックスさせて褒めると良いです。

あなたも今すぐできることですので、日々の日常で取り入れてみてください。

最後に

最後までお読みくださりありがとうございます。

今回は「タイプ別セールス術」についてあなたにお話しさせて
いただきました。

最後に私の好きな言葉をあなたにプレゼントさせてください。

私がこれまでの人生を生きていく中で1つの支えにしてきた
言葉があります。

「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり」

この言葉です。

これは誰もが知っている孫子の兵法に出てくる一節です。

紀元前に遺された言葉が現代でも通じると言う言葉の奥深さ
そして、時代は変わったとしても人間の心理はいつまでも
変わらないものであると言う人間関係の大切さが説かれた
人生のバイブルだと私は考えています。

この言葉の意味を簡単に訳すと次のようになります。

「勝つと言うことが最良ではない。戦わずして勝利することが
最良なのだ」

この言葉が意味していることは、結局のところ戦うよりも戦う
前に勝負をつける方が大切であると言うことを説いています。

つまり、戦う前の準備を大切にしましょうと言うことが言いたいのです。

では戦うと言うことを今回のテーマである人間関係に置き換えて考えて
みましょう。

そうすると、準備とは相手を知る、自分を知ると言うことが言えます。

私たちの人生は全てが人間関係でつながっています。

小学6年生で「食物連鎖」と呼ばれる生物たちの食べる食べられると言う
生き方のつながりを勉強しています。

これは私たちが生きていく上で欠かせない人間関係でも同じことが言えます。

いわゆる「人間連鎖」です。

人間同士を理解していくことの重要性は頭ではわかっていても日々の生活の
中で見失われがちです。

これはなぜなら、考えることが面倒だからです。

人間関係の場合は「好かれる嫌われる」といった人間的に合わないと言う
面をすぐに考えてしまいがちです。

ですが、その人のことがわからないのではなく、その人の立場に立って
物事を見ていないだけです。

相手のことに構ってられないのです。と言う心の声が聞こえてきそうです。

しかしながら、相手のことを考える習慣をぜひあなたには持っていただきたいです。

これはなぜなら、相手は変えられませんが、自分の言葉や相手への対応は
変えられるからです。

全てを自分の軸で物事を見ることができた時、あなたの目の前に大きなチャンスが
表れるはずです。

自分の人生に責任を持てた人のみが目の前のチャンスをつかむことができるからです。

今回のお話を聞いていただいたあなたには、ぜひ、人生に責任を持ち、自分の人生
をコントロールしながら主人公としての人生を謳歌していってほしいと願っています。

その人生をコントロールするために必要なスキルが人間を大切にするスキルです。

今、フリーランスと言う言葉が流行ってきています。

「フリーランスになるために一番重要なことはなんですか?」

ある調査で出された質問で稼げているフリーランスたちが答えた返答は以下です。

「それは人脈だ」

この言葉に人間関係の大切さの極意が隠されている。

私はそう確信しています。

自分の実力を磨くことも確かに大切です。

しかしながら、私たちは人間としてお互いに支えあって生きてきた生物です。

支え合うと言うことはお互いにお互いのことをリスペクトすると言う意味です。

何も相手に対して特別なことをすることが人間関係に求められているわけでは
ないのです。相手への敬意を持ってセールスなり会話を大切にしていく。

私が今回あなたにお伝えしたかったことは、タイプ別セールスのテクニックで
いくら稼げますよと言うことが伝えたかったわけではありません。

確かにタイプ別セールス術を実践していただくだけで、お客様や相手への理解
度が格段に上がり、うなぎのぼりに成績をどんどん伸ばしていく人も出てくること
でしょう。

しかしながら、そんなちっぽけな部分ではなく、コミュニケーションを通して
人生を楽しい方向にシフトしていってほしいとあなたに伝えたいです。

人間関係は人間力を磨く上で欠かせないツールです。

失敗もあると思いますが、その失敗はあなたにしかできないあなただけの貴重な
人生のピースに変わっていくはずです。

今回の内容が少しでもあなたの人生を生きる上での役立つエッセンスに変われば
本当に幸いです。

こうしてあなたと出会えたことに心から感謝いたします。

またいつの日かお会いできる日を楽しみにしています。

本当にありがとうございました。

赤堀和彦

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